再掲載記事「船長として気にかけておいてほしいこと」

2015年07月21日
ミニボートは安全?危険?
ボート 釣り 趣味

ロッキーは全く考えもしなかったが(笑)


そこはロッキーの『防衛本能の欠落部分』と笑っていただき。


ミニボートに乗ろうと考える方々には「果たしてミニボートは安全なのだろうか」 と考える人が少なからずいらっしゃるようだ。


実は、ロッキー娘の『ブラックパール号』は、ある人への譲渡が確定したことがある。


が、すかさず奥様から「危ないから止めてくれ」と制止されて白紙に戻った。


海とは危険の多い場所で、ミニボートは小さな小さな乗り物だ。


危険と言えば、危険極まりない。


では、いったいミニボートのどこが危険なのか。


ロッキーの拙い知識と経験で(笑)、考えてみたい。











まず、ミニボートとはどんなボートなのか?を定義しないと話を始められない。


ミニボートと呼ばれる船にはいろいろあるが、今回は無免許・無船検で乗れる船、に限定する。


規格は全長が11ft以下、つまり3330mm、推進力が2馬力まで、というスペックだ。


このスペックを満たす、ゴムボートやFRPボート、ポリカーボネート製のボート等が、各社から販売されている。


一様に皆、完成度が高く、よほどのことが無ければ『船の性能が原因』で遭難などありえないと思う。


そして次は推進力、エンジンの話。


国内では、ヤマハ・スズキ・トーハツ(マーキュリー)・ホンダの船外機メーカー各社から、大変優秀な2馬力エンジンがリリースされている。


船外機の性能としては、各社甲乙つけられないほど完成度は高い。


強いて差別化を計るなら、自宅の近くに修理を依頼出来るショップやファクトリーがあるかどうかくらいだ。


これら優秀な国産船外機をこまめに整備して、無謀な改造などせずに運用していれば、まず船外機の不調が原因の機関故障・漂流などの危険も少ない。











では、船体・エンジンともに事故の原因とはならない?


その通りジャマイカ。







では、危険はどこにあるのだろう?


それは、実際の海難事故を見てみればよくわかる。


第三管区海上保安部の月別統計6月報告を読むと、管内の海難事故は15件。


この数字には貨物船5隻も含まれるが、なんと見張り不十分による人的過失事故が9件を占めている。


内訳は、衝突が6件、乗揚が3件だ。


ついで浸水が2隻、機関故障が2隻、転覆が1隻、火災が1隻。


このうち人的過失以外の事故(予防できない事故)は、機関故障と浸水と火災の5隻だ。


転覆は、もちろん自船が転覆するような海況で操船を誤った結果なので、人的過失の事故だ。


ちなみに機関故障のうち1隻は30000トン級のタンカーで、エンジニアが乗っていながら2日に渡って浦賀水道に錨泊した事を考えると、通常の故障ではなかった事がわかり、数に数えるべきではないかも知れない。








この統計から読み取れるものは、海難事故は、船のサイズや性能、機関(エンジン)のサイズや性能といったハードウェアを原因として起こる場合は少なく、主に船長や船員の『人的過失』で起こる、という教訓的な現実だ。


つまり、船長が自船の形状や性能の長短をよく理解して、機関の調子を把握して、周囲の状況に気をつけていれば、ほとんどの海難事故を防止出来る。


最大の事故原因は人の判断ミスにあって、その判断を誤る原因にメスを入れなければ、事故を防ぐ事はできない。


どうやら出口が見えてきたようだ。










雑誌SMALLBOATの別冊に『転覆とサイドフロート』と言う特集がある。


ゴムボート以外のミニボートオーナーたちがよく導入を考えるサイドフロートに関しての特集だ。


ロッキーもドルフィン時代に、サイドフロートを艤装しようと、この本で勉強した。


非常に詳しく書かれており、転覆実験などは参考になったが、今考えると大いに疑問が浮かぶ。


それは『海難事故を防止するには、サイドフロート等のハードウェアや、荒天時の航行技術も確かに必要だ。が、最も必要な事は、海難事故に遭わない為の出航の判断基準を、自ら考えて従う事』だということだ。


ミニボートなら、平常時から『予報で出航時間に波高0.7m以上、風速5m以上が出ていたら無条件で出ない。出航後にその海況が予報されていたら、その予報の2時間前には帰航する』くらいの自己規制は欲しい。


そして、その自己規制に則った中で、注意を払いながら楽しめば良いのだ。


危ない思いをしながら出航していれば、いつかは必ず事故になる。


海難事故は死亡率が非常に高いのだ、ということを忘れてはいけない。


海況が悪ければ気楽に出航をあきらめ、出航出来なかったら近くの温泉にでも入って、お土産を買って帰る位の心持ちでいなければならない。


少し荒れはじめた海を前にして


「絶対に魚を釣って帰りたい」


「せっかく有給休暇を取ったのだから出たい」


「ここまで来たのに止めるの?」


等の考え方は安全意識が欠如していて、とても危険なのだ。船長は元よりゲストの一人一人が、こう思わなければ安全は確保出来ない。













海況予報の専門サイトに登録して最新の予報を入手して、少しでも荒れる予報があるなら出ない。


船外機は毎週始動、暖気程度でも良いのでアイドリングして、調子を把握して整備しておく。


同じ海域で出航する仲間や、必ず立ち寄る釣り具店を作っておく。


レーダーリフレクター(500mlビールの空き缶でも良い)を揚げ、海上保安庁の巡視船がレーダーで確認出来るようにしておく。


毎回、航行計画書を作って所轄の海上保安庁へFAXして家族に渡しておく。


これらを実行した上で、自分の決めた航行規定を運用してゆけば、ミニボートはとても安全に楽しむことの出来る、大人の遊びなのだ。






海難事故の原因のほとんどは、船やエンジンの欠陥や性能限界にあるのではなく、操船する人間の不注意や整備不良、過信によるものなのだ、という事実を忘れないでいたい。

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