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悲しいけど

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テアの時と同じように車に乗せ、シュナの好きだった散歩道を辿った。


「この道、たくさん歩いたね」


思い出の多い道を、ゆっくり走った。


ロッキーの腕の中で、シュナはまるで眠っているようだった。


お花を買ってシュナに添えてやり、葬儀場に向かった。


最期はやはり、皆名残惜しかったが、時間をかけて別れを告げた。


「頑張ったね」


「ありがとうね」


かみさんも娘も、シュナの身体や顔を撫で、その存在を心に染み込ませているようだった。








火葬を終え、シュナの骨を抱いた。


「シュナ、家に帰ろう」


家族みな、無言のまま帰宅した。


一時してかみさんが呟いた。


「悲しいけどね、なんかやり尽くした気がする」


それはロッキーも感じている。


所沢の病院では、手の施しようがなく、あと2〜3日だろうと言われた。


それから約2ヶ月、シュナは驚異的に回復してみせ、病の苦しみから抜け出して見せた。


手作りのご飯も喜んで食べ、歩いてみせ、決して病に倒れたのではないと家族に悟らせてくれた。


最期はまるで眠るように、かみさんの腕の中で逝った。


ジャックラッセルテリアの寿命14歳を遥かに越え、19歳まで生きて見せた。


これ以上、家族がしてやれることは無いと確信出来るし、シュナ自身もまた、持てる最大限の生命力を引き出して見せてくれた。


だから悲しいけど、とても清々しいのだ。


「シュナは頑張ったよ。これ以上は望めないくらい」


「うん、だからすっきりした」


ロッキーはシュナが病に苦しむ最期は見たくなかった。


それを毎朝、お稲荷様にお祈りしてもいた。


祈りは届いたのだと思う。


テアが14歳で亡くなった時、あまりのショックにシュナの時を恐れたが、そんな家族の心配をシュナは吹き飛ばしてくれた。


不思議とシュナを連れ帰ってから、家族に涙は無かった。


だが、家の中には大きな大きな喪失感が残った。


これを埋めるのはロッキーの仕事だ。


シュナの為にも頑張らなくては。


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