雪の記憶


みぞれか雪か、今夜はかなり冷え込みそうだ。


こたつは魔物だが(笑)


今夜あたり、所沢の婆(ロッキー母)の雪の記憶を、娘に話してやろうと思う。


もう、ロッキーが小学生の頃の話だ。
















雪の降った日、喜んで外へ飛び出そうとするロッキーが、何気なくロッキー母に聞いた。


「お母さんは雪、好き?」


「お母さんは好きじゃないのよ」


「…なんで?」














新潟の冬は雪深い冬だ。


ロッキー母の実家は、六日町の奥深い山の裾野にある。


今でこそ駅の正面だが、線路が開通するまでは、雪が降ると全ての音が止む、冷たい冷たい雪景色の中にあった。


街道は雪に埋もれ、唯一の交通手段の鉄道は、はるか遠くの山々をトンネルで縫いつつ、音も無く消え行く。


深々と降り続く雪は、陸上の全てを覆い隠し、人々は二階の玄関から出入りする生活だった。


雪は決して綺麗なものではなく、厳しい自然の猛威だった。


だが、ロッキー母の【雪が好きじゃない】理由は、それではなかった。















生まれた時から雪国に暮らす母にとって、厳しい自然ではあったが、逞しく生きる力はあった。


ただ、そんな母が耐えられなかったことがある。


それは、雪解けの春だ。















「雪が解けていくでしょう。そうするとね、雪の中から冬の間に行き倒れちゃった人が出て来るのよ」


「東京から帰ってきた人や、まだまだ遠くへ帰る人とか、お金やお土産を持って凍ってるの」


「この人、家に帰りたかったろうなぁ、家族が待ってるだろうなぁって」















辛い辛い、雪国の春の話だ。

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